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生観戦レポート
「Jリーグ第1節 ジェフユナイテッド市原vs京都パープルサンガ」(2000.3.11)

市原臨海競技場

15:00〜

天気:くもり

観客:6,331人

ジェフユナイテッド市原

6−1

京都パープルサンガ 

2−0

4−1

【試合前】

さあ、J開幕です。…ということで、市原まで行ってきました。
プレシーズンマッチでのチーム状態は正直、今ひとつピリッとせず、ちょっと心配はあったんですよね。
ただ、1つ1つ、ステップ・バイ・ステップで、チーム作りをしている…っていう感じもあって、何とかなるかな…とも思っていました。
その矢先、プレシーズンマッチの全試合を通じて、最終ラインの真ん中に入っていた新ブラジル人選手のバイアーノが肉離れで戦線離脱。
う〜ん、最終ラインは大丈夫なんだろうか?…という不安材料が加わって、何とも複雑な気分で、ジェフ市原戦に臨みました。

【練習】

さて、午後2時半ごろ。キャプテン・KAZUを先頭に、元気にサンガの選手たちがピッチに出てきました。KAZUにも、いよいよ始まるぞ!といった雰囲気が感じられ、こころなしか、嬉しそうにも見えましたね。
1列に並んで、スタンドの観客に手を挙げて挨拶、いつものとおり、淡々と、けれど、和気藹々とウォーミングアップが続きます。
みんな黒っぽいウォーミングアップウェアを来ているのですが、KAZUは、遠目にもすぐわかる。
なぜって?それは、KAZUの足下。
日本代表のときにも、よくやっているように、KAZUだけ、ストッキングを、ズボンの裾の上までのばしているからです(苦笑)。いわゆる、地下足袋状態…ってやつですかぁ(爆)。おかげで、KAZUさんを探すのに苦労はしないのですが…。

さて、まずは、全員が輪になって、5分ほどピッチ上でミーティング。
KAZUの笑顔で何か話をしています。
練習は、いつものとおりのストレッチとシュート練習。この日のKAZUは、おもに新ブラジル人FWのへジスと組んでウォーミングアップしてましね。結構仲がよさそう…。ボクシングのまねをして、へジスの顎にパンチを繰り出す素振りを見せたりして…、ポルトガル語でコミュニケーションもバッチリなのかな?シュート練習でのKAZUの精度は、結構よかったように見えました。先日の豊田でのプレシーズンマッチのときは、ちょっと、シュートを上へふかしていた風だったんですけど…。最後までシュート練習をおこなって、足早に、スタンド下へ走っていきました。
それにしても、KAZU人気はあいかわらずでしたよ。バックスタンドにずらっと並んだ観客の中には、カメラを持った人がすごく多くて、KAZUさん狙いが多かったですから…。

【キックオフ】

いよいよ、ピッチに両選手が登場。KAZUを先頭にサンガ選手もピッチの上へ。
サンガはアウェイですけど、この日は、紫のウェア。いつものように、KAZUさんだけが、黒いウェアを着て登場です。そう、ウェアの下は、半袖なんですよね。でも、この日は、大嶽さんも半袖のウェアで登場です。J開幕ということもあって、審判団と両チームのキャプテンに花束贈呈。
いよいよ、ウエアを脱ぎ、半袖&背番号「11」ユニを身にまとい、いつもの場所で記念撮影。そのとき、たぶん、真新しいキャプテンマークがスタッフの手によって、左手につけられました。黒い縁取りの白いキャプテンマーク。かなり太めのものなので、左腕の半袖部分全部がキャプテンマークに見えます。これって、他の人がやってないようなものを注文してる…って言ってたやつかなぁ〜。確かに目立つ。

KAZUは、いつものように、ピッチの上で膝をたて、スパイクの紐を締め直し、でんぐり返しをしてピッチに立って、センターサークルに。さあ、キックオフです。

【前半】

ここ2試合、怪我のためにプレシーズンマッチを欠場していた野口選手が左サイドで出場しています。ただ、右膝にガッチリ、テーピングをしていて、ちょっと心配です。あとは、やっぱり、肉離れで直前に戦線離脱したバイアーノ選手に代わり、最終ラインの真ん中に入った手島選手をはじめ、DF陣が、どこまで踏ん張れるか…。

……っと、試合が進むにつれ、そういった心配が的中してしまいました。
まずは、前半の立ち上がり、野口選手のサイドから切り崩される場面が続きます。野口さんには頑張ってもらいたいのですが、この日の足の状態を見ていると、無理をさせない方がよかったのではないかと思ってしまいます。どうしても、最後の競り合いのところで、足をかばっているようにも見えました。結果、そこでボールをカットされ、サンガの左サイドに大きなスペースが空いてしまうことが多くなり、そこを起点にジェフに攻められ始めます。
ジェフは右サイドを起点に、左右に振って、また、バロン選手をうまくポストに使って、縦へも切り込んできます。このバロンっていう選手。ガタイもでかくて、頑丈そう…。結局、サンガDF陣は、左右に振られ、混乱状態。ボランチに入っていたミニラ(中村忠)や遠藤くんも、プレスやDFに、ほとんどの時間がとられています。
攻撃を組み立てるはずの松川選手は……今ひとつ目立たない。う〜ん、まだコンビネーションが確立されていないのか…。
へジスは、ドリブルとフェイントで、局面を打開しようと頑張りますが、ジェフDFに2人、3人と追い込まれて、なかなか最終的なところまで持ち込めません。
KAZUは、どちからというと前線で張る感じでしたが、ジェフの4番茶野に、ぴったりつかれて、厳しい状態。それにしても、茶野くん…反則しすぎだよぉ〜。前半から、KAZUに対して、かなりやってましたねぇ〜。途中から、KAZUも応戦してましたが、審判やボールのないところでも、かなりイザコザがありました。そのたびに、こちらは冷や冷やもんです。
そんな状態の中、ジェフに2得点決められ…う〜ん。もちろん、点の取られ方も悪いのですが、気になったのは、点をとられた後のこと。
ゴールネットに転がるボールを取りに行くのがKAZUなんです。KAZUがFWの位置からシゲさんのところまでやってきて、ゴールネットに転がるボールをとり、センターサークルまでかけていき、自らボールをセンターサークルにセットするんです。
みんなぁ〜、頑張ろうよぉ〜。そんな思いの中、前半が終了しました。

【後半】

後半、少し早めにピッチに登場してきたサンガイレブン。
キャプテン・KAZUを先頭に出てきたメンバをチェックしてみると、松川選手に替わって黒部選手が投入されるようです。
…ということは3トップ?でも、ゲームをコントロールするのは誰??
KAZUが1.5列目?後半開始早々、KAZUがDFラインあたりまで猛然とプレスをかけ、ボールを奪うような動きを見せました。そうか、KAZUが下がり気味でプレーするのか…と思いきや、へジスがかなり下がってプレーしています。う〜ん、これって3トップだけど、どちらかというと黒部の1トップで、KAZUとへジスが自由に動く…という感じに見えました。
この交代で流れが変わるか…と思いきや、守備の混乱は改善されず、さらに、慌ててしまっているのか、精神的に余裕がないせいか、せっかく奪ったボールも、パスミスなどで簡単に相手に渡してしまう。結局、ボランチも、サイドハーフも、最終ラインに吸収されてしまい、中盤がポッカリ空いてしまい、ますます、トップのボールは出てこない。ルーズボールは、ことごとく、ジェフに拾われる。
そんな状態が続く中、茶野くんのKAZUに対するチャージはエスカレート。KAZUも「何だよ!」って感じで、抗議したり…。
さらに悪循環は続き、もう、ボロボロになりかけてるDFラインにとどめをさすような感じで続けざまの2失点。DF陣やシゲさんまで、ゴール前で茫然自失のような状態。気持ちはわかるけど、まだまだ試合は続いてる。頑張ろうよぉ〜、って思ってると、前線から走ってゴールネットに転がるボールを取りに来るのが、やっぱりKAZUさんなんです。
その直後に出たのが、右サイド、へジスの綺麗なセンタリングに反応した、KAZUのヘディングシュート。ゴール!
あれっ?ゴールだよ、みんな…。どうしちゃったの?
そう、周りは無反応状態…。何があったのか、ちょっとわからない…という雰囲気。
えっ?KAZUのゴールじゃないの?って、私も不安に思っていると、KAZUは、すぐさまボールを手に持ち、センターサークルに猛然と走ってきて、ボールをセット!
ここで、やっとサンガサポーターから、KAZUコールがありました。
そう、KAZUはまだまだあきらめちゃいない。後半も30分近かったけど、まだまだ得点して、2−4、3−4…と、少しでも差を詰めよう、勝とう…という気迫がKAZUには見られます。
……なのに、なんか、サンガのチームにそういった雰囲気が感じられない。遠藤くんは頑張ってたように見えました。何とかボールを奪おうとアグレッシブにいってましたね。ただ、全体として、選手がおとなしい…っていうか、あまり気持ちを外へ出さない…っていうか、球際でのあきらめが早くて、簡単にボールを離してしまっている感じです。
結局、KAZUのゴールをきっかけに、点差を詰めるどころか、さらに2失点をくらい、1−6となってしまいます。5失点目、6失点目は、もうサンガ選手たちの気力がついえてしまったかのようで、でも、その一方で、そんな状態でも闘志を全面に出すKAZUの姿が目に入ってきて、このコントラストにため息が出てしまいました。

【追記】

1−6の大敗。
試合終了の笛がなり、うなだれるサンガ選手たちの中、KAZUだけは、相手の茶野選手と抱き合い、ジェフの選手たちと次々握手。わざわざ下川選手のところへ歩いていって、お互いの健闘を讃えるようにハイタッチ。
さらに、ゴール裏のサンガサポのところへの挨拶も、他の選手たちが足取りも重く、下を向いている中、KAZUだけは、走ってゴール裏へ。
挨拶後、控え室へ戻る際にも、振り返って、サンガ選手たちに対して手を叩き、「みんな、もっとしっかりしろ!」と言わんばかりに叫んでました。そして、1人だけ、ダッシュに近い状態で、スタンド下に走っていってしまいました。途中向けられたTVカメラも完全に無視するように…。遠目にも、KAZUの怒りや思いが伝わってくるようです。そんな中でも、メインスタンドの観客には手を挙げて応えてました。

そう、これだけの大敗を喫した原因は、いろいろあるし、問題点も多い。
でも、一番残念なのは、試合途中で、サンガ選手の多くが、まったく自信を失い、戦う気力を喪失させてしまったように見えたこと…。私がKAZUファンであることを除外視しても、確かに、このとき、プロだったのは、サンガ選手の中でKAZUだけだったように思える…と言ったら言いすぎでしょうか?
どんなに負けても応援してるファンがいる限り、戦う姿勢を見せ続けてほしいな…って思います。

 

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